権利関係 過去問

【過去問】平成21年度問3

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問題

Aは、Bに対し建物を賃貸し、月額10万円の賃料債権を有している。この賃料債権の消滅時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
(1)Aが、Bに対する賃料債権につき支払督促の申立てをし、さらに期間内に適法に仮執行の宣言の申立てをしたときは、消滅時効は中断する。
(2)Bが、Aとの建物賃貸借契約締結時に、賃料債権につき消滅時効の利益はあらかじめ放棄する旨約定したとしても、その約定に法的効力は認められない。
(3)Aが、Bに対する賃料債権につき内容証明郵便により支払を請求したときは、その請求により消滅時効は中断する。
(4)Bが、賃料債権の消滅時効が完成した後にその賃料債権を承認したときは、消滅時効の完成を知らなかったときでも、その完成した消滅時効の援用をすることは許されない。

解説

正解(3)
(1)正しい。支払督促については、書面を発しただけでは時効中断の効力はなく、支払督促の申立をした後、30日以内に仮執行の宣言の申立てをして初めて消滅時効が中断する(民法第150条)。
(2)正しい。時効の利益は、あらかじめ放棄することができない(民法第146条)。
(3)誤り。催告は、6か月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、民事調停法 若しくは家事事件手続法 による調停の申立て、破産手続参加、再生手続参加、更生手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、時効の中断の効力を生じない(民法第153条)。したがって、内容証明郵便により支払を請求しただけでは、消滅時効は中断しない。
(4)正しい。債務者が、消滅時効完成後に債権者に対し当該債務の承認をした場合には、時効完成の事実を知らなかったときでも、その後その時効の援用をすることは許されない(最高裁判例昭和41年4月20日)。

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