問題
AがBに対して1,000万円の代金債権を有しており、Aがこの代金債権をCに譲渡した場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
(1)AB間の代金債権には譲渡禁止特約があり、Cがその特約の存在を知らないことにつき重大な過失がある場合には、Cはこの代金債権を取得することはできない。
(2)AがBに対して債権譲渡の通知をすれば、その譲渡通知が確定日付によるものでなくても、CはBに対して自らに弁済するように主張することができる。
(3)BがAに対して期限が到来した1,000万円の貸金債権を有していても、AがBに対して確定日付のある譲渡通知をした場合には、BはCに譲渡された代金債権の請求に対して貸金債権による相殺を主張することができない。
(4)AがBに対する代金債権をDに対しても譲渡し、Cに対する債権譲渡もDに対する債権譲渡も確定日付のある証書でBに通知した場合には、CとDの優劣は、確定日付の先後ではなく、確定日付のある通知がBに到着した日時の先後で決まる。
解説
正解(3)
(1)正しい。譲渡禁止特約があり、その特約を知らないことについて重大な過失がある場合、Cは債権を取得できない。
(2)正しい。通知が確定日付によらなくても弁済するよう主張することができる。
(3)誤り。BはCに譲渡された代金債権の請求に対して貸金債権による相殺を主張することができる。
(4)正しい。確定日付のある通知が到着した日時で後先が決まる。